慣性モーメントを分かりやすく説明してみた

「慣性モーメント(イナーシャ)」とは

<抽象度★★★★★>

物体の「回りにくさ」「止まりにくさ」を表す値です。


<抽象度★★★★☆>

直動系の超有名な方程式(ニュートンの運動の法則)
$$ F=ma =m \ddot x$$

[N] = [kg] [m/s2]

を回転系に直すと

$$ \tau =Ja= J \ddot \theta $$

[Nm] = [kg・m2] [rad/s2]

となり、ここに出てくる「J」が「慣性モーメント[kg・m2]」です。

すなわち、回転系における「重さ」を示す値と言えます。


<抽象度★★★☆☆>

機械設計において、慣性モーメントはモータの容量を計算する際に必要になります。

台形の速度プロファイルで回転体の位置決めをする場合、「各加速度」に「慣性モーメント」をかけると、モータに必要なトルクが分かります。(摩擦などの負荷トルクは無視しています)

慣性モーメントが大きいと必要なトルクが大きくなり、慣性モーメントが小さいと必要なトルクが小さくなることが分かります。


<抽象度★★☆☆☆>

下図のような質点mの回転を考えます。

この時、中心軸周りの回転の慣性モーメントは、

$$ J = m r^2 $$

で表されます。